戦国時代の武器と言えば?
『刀』は脇役!?
どうも、ジャミです。
わたくし甲冑(かっちゅう)を作ったりします。舞台イベント用の。
甲冑って分かりますかね?
鎧兜のことですが、
「甲(かっ)」が鎧で
「冑(ちゅう)」が兜のことを意味しております。
なので私は鎧兜がセットになった時だけ甲冑という表現を使います。
が、このあたり専門家の方でも厳密に使い分けたりしないことも多いので、「へ〜、そっかぁ」ぐらいの認識で良いと思います。
そんなこんなで、今回のテーマは
『戦国時代の武器と言えば?』
であります。
刀はメイン武器ではない
戦国時代の武器と言えば?
と問われれば
「そりゃぁ刀でしょ!😆」
と思われた方もおられるかも知れません。
が、戦国期の合戦において刀の出番はそれほど多くはありませんでした。
接近戦のメイン武器は長槍(もしくは長柄槍)。文字通り長い槍で4メートルを超え、中には6メートルに達するものまでありました。
その、長ぁ〜〜い槍で、
叩く
え!?
叩く!? たたく!??
突くんじゃないの!!???
と思われるかも知れませんが、
長槍はその長さゆえ、槍でありながら突くにはやや不向き。
ですが、そのしなりを利用して叩きつければ、凄まじい打撃力となります。
なんと、甲冑を陥没させるだけの破壊力があります。
さらに、穂先(ほさき)
つまり槍の先端をいっせいに一方向へ向けて作り出す槍衾(やりぶすま)は簡単には敵を近づけさせません。
なお、この長槍を扱っていたのは足軽、いわゆる一般兵。武将さんが使っていたのは短槍(たんそう)・持鑓(もちやり)、いわゆる普通の槍です。
まぁ、武将さんの中には、長ぁ〜い槍を使う猛者もいましたけどね。
槍は刀より長い武器であり、リーチの差で優位に立てたことでしょう。
とは言え乱戦ともなれば刀の出番ともなります。必ずしもリーチが長い方が有利とも限らず、懐に入られた場合はむしろ不利にすらなり得ます。
ですが、刀よりもっと短い脇差や短刀で組討(くみうち)、つまり超接近戦を挑んだ方が勝率が上がるという説もあります。
取っ組み合って相手を倒して防具の隙間を突きまくる。あくまで防具の隙間。
たまに戦国系の映像作品で甲冑の上から刀で斬りつけて倒してるシーンがありますが、あれはフィクションです。
甲冑の上から刀による斬撃、つまり斬りつける攻撃で致命傷を与えるのは簡単ではありません。
もし自分も対戦相手も甲冑を着ていて刀で戦うとしたら、介者剣法(かいしゃけんぽう)という戦い方があります。
防御は甲冑に任せ、主に刀による突きで相手の防具の隙間を狙う戦い方。
また、斬る・突くというのを諦め打撃用とわりきり、相手を兜の上から刀でガンガンたたきつけ、ひるんだ隙に組討にもちこんで脇差や短刀でとどめをさすという戦い方もあったそうです。
華麗な印象ではありませんが、命懸けですからむしろリアリティを感じます。
ちなみに、刀の展示を観に行った時の記事も書きましたので(刀剣に関しては前半部分)、リンクを載せておきます。
↓ ↓ ↓ ↓
死傷者の過半数は飛び道具
と、ここまでは接近戦の話。
「手には槍、腰には刀と脇差があれば完璧かな😜👍」
とはいきません。接近戦の前に遠距離戦が起こり得ますよね。 戦国期の合戦での死因は、その過半数が飛び道具であったとも言われます。
西暦1543年(諸説あり)に日本に伝来したとされる鉄砲は、戦国時代の戦い方に大きな影響を与えます。
扱い方を覚えさえすれば、誰でも高い攻撃力を有することができたからです。それまで弓矢が遠距離攻撃のメイン武器だったのが、鉄砲の普及によりその座を譲ることとなります。
西暦1575年に起きた長篠の戦いにおいて戦国最強とも目される武田軍は織田・徳川連合軍に敗れますが、このとき織田軍は大量の鉄砲を用意しておりそれが勝敗に大きく影響を与えたとも言われます。
しかしながら鉄砲が普及してからも弓矢が廃れたわけではありませんでした。
当時の鉄砲は銃身内部にライフリングが施されておらず、弾丸が真っすぐ飛びません。それゆえ命中率も高くはありませんでした。
加えて火縄銃なので水に弱く、雨が降ると使えない上、高価なので数を揃えるのはそう簡単ではなかったのです。
その点 弓矢は射手(いて・しゃしゅ)の力量によって飛距離も攻撃力も左右されますが、鉄砲に比べれば手配しやすく雨天でも使えます。鉄砲も弓矢も甲冑を貫通するほどの攻撃力を持っており、驚異的な武器だったと言えます。
じゃぁ甲冑着てても意味ないの?
と、ここまで書くと
「じゃぁ鉄砲や弓矢が相手では甲冑着てても意味ないんだ」
と思った方もおられるかも知れませんが、そんなことはありません。
距離や角度によっては弾丸や矢が当たっても貫通せず弾かれることがあります。
真っすぐ当たれば貫通するものも斜めの角度で当たれば弾かれやすくなりますし、
飛び道具には
最大射程(文字通り弾丸や矢が届く最大距離)と
有効射程(当たれば致命傷を期待できるであろう距離)があり、
有効射程より遠ければこれまた当たっても防具の上であれば致命傷を免れやすくなります。
ちなみに弓矢と鉄砲の最大射程と有効射程がどれほどかご紹介したいのですが、残念ながら資料によってバラバラです。
弓矢ですと射手によって変わるでしょうし、鉄砲も火薬の量によって変わりますでしょうし、弓矢も鉄砲も同じもので統一されているわけでもありません。
なので、あくまでこれは一例となります。
【弓矢】
最大射程 400メートル
有効射程 80メートル
【鉄砲】
最大射程 500メートル
有効射程 200メートル
数字だけ見ると鉄砲の方がスペックが高いですが、先述しました通り弾丸がまっすぐ飛ばず命中率は高くありません。
なので敵をひきつけてからの一斉射撃という使い方が効果が高かったと思われます。
遠距離武器ではあるものの、思いのほか至近距離での使用に向いていたと言えるのかも知れません。
脅威!第三の武器とは?
そして鉄砲・弓矢に次ぐ遠距離武器。それは・・・
『石』
「いしぃ~~~!???」
と思った方もおられるかも知れませんが、ただで手に入るわりにはそれなりの攻撃力があります。
手で投げるのはもちろんのこと、手ぬぐいや畚(もっこ)を利用して飛距離や攻撃力を上げました。
投石による攻撃のことを印地(もしくは印字・いんじ)と呼び、それに熟達した人のことを印地打ちと呼びました。
薙刀って強いの?
話は接近戦に戻るのですが、
「薙刀って強いって聞くけど、どうだったんですか?」
と聞かれたこともありましたので、これに関しても少しお話しします。戦国時代よりももっと昔は接近戦のメイン武器として使われていた期間はありました。
突きでの攻撃もできますし、斬撃、つまり斬りつける攻撃でも高い威力を誇りました。
が、この時期は少数の武士がメインで戦う時代。戦国時代ともなれば足軽による集団戦が主流な戦い方となり、戦闘経験の浅い農民兵でも比較的扱いやすい槍が普及することとなりました。薙刀は集団戦に向いているとは言えず接近戦のメイン武器の座を譲ります。
とはいえ全く使われなくなったわけではありません。個人的には僧兵たちが持っているイメージです。僧兵というのは戦うお坊さんみたいなのを想像していただければと思います。当時は宗教勢力も武装しているところが多かったのです。
また長巻(ながまき)という武器もありました。刀の柄(「え」もしくは「つか」)、つまり持つ部分が長くなった形状をしております。一見薙刀に似てはおりますが、長柄武器に分類される薙刀とは違い、長巻は刀に分類される武器となります。
今回は戦国時代の武器に関して超簡単にざっくりとご説明いたしました。
さてさて、そんなわけで戦国時代の武器として長槍・短槍・刀・脇差・短刀・鉄砲・弓矢・投石・薙刀・長巻を簡単にご紹介してきました。
刀がメイン武器ではなかったことは意外に思われたでしょうか?
ちなみに、刀と一言で言っても種類があります。太刀(たち)と打刀(うちがたな)。
パッと見、違いが分かりにくいかも知れませんが、太刀の方がやや長く反りが深いことが多いです。基本的に太刀は馬に乗った状態で扱いやすいようなつくりであったと言われ、それに比べて打刀は徒歩の状態で扱いやすいつくりであったと言われます。
装備する際、太刀は刃を下向きにして腰からぶら下げます。これを太刀を佩(は)く、と呼びます。打刀は刃を上向きにして腰帯に差します。
が、場合によっては打刀であるにも関わらず、太刀のように刃を下向きにして腰帯に差していたこともあります。
これは天神差し(てんじんざし)と言いまして、打刀の装備で馬に乗る際、鞘(さや)の先端を馬の身体にぶつけてしまわないようにする差し方であったそうです。
ちなみに、最初は太刀として作られたものを磨(擦、す)り上げて、つまりカットしたり削ったりして短くし、打刀にかえた刀もあります。よけい見分けがつきにくいですよね。
どうやってそんなこと調べるの?
なお、「戦国期の合戦での死因は、その過半数が飛び道具であった」と先述しましたが、なぜそのようなことが分かるのでしょう。
それは軍忠状(ぐんちゅうじょう)という史料から読み取ることができます。これは戦における報告書のようなもので武功などが書かれているのですが、戦にてどれぐらいの兵がどんな武器で攻撃されて死傷したかなどが記されています。
が、すべての戦に軍忠状が残されているわけでもなく、むしろ残されていることの方が少ないでしょう。さらには野戦なのか攻城戦なのか、状況や戦い方によっても多用されるであろう武器や死傷率は変わってくると思います。
「戦国時代の戦いでの死因は7割が飛び道具」
という言葉を耳にしたこともあるのですが、それはさすがに言い切れないかなと私は思います。なのでこの情報に関しては、そういった説もある、ぐらいに捉えておいた方が妥当なのかも知れません。
もっと言うと、「戦国時代の戦いでの死因は」という表現はおおざっぱすぎますよね。なので私はこの手の話をする際は
「戦国期における合戦での死因は」
という表現を使います。
戦国最強の武器は何だ!?
また、戦国最強の武器は何だ!?という話になったときいろいろな答えが返ってくるかも知れませんが、こういった質問は前提をそろえないと明確な答えは出てきません。
先ほど戦国期の合戦での死因は過半数が飛び道具というお話をさせていただきましたが、では鉄砲 VS 刀は絶対に鉄砲が勝つのでしょうか?
そんなことはありませんよね。もし至近距離で戦うとしたら、刀の方が勝率が高いと思います。
何をもってして強いのか?攻撃力なのかリーチなのか殺傷力なのか、敵との距離は?兵数は? などなど、それらをそろえて初めて比較することができます。
私、TikTokでも戦国系の発信をしていたのですが、動画のコメント欄において、前提をそろえないまま議論を始めてしまう方々がおられました。
せっかく好きなことに関して話すのですから、お互い心地良くやりとりできると良いなって思います。
長々と書いてしまいました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
このシリーズ、他にもございますのでよろしければ読んでみてください。
【戦国パンダ部長】全種一覧
https://jaminism.hatenablog.com/entry/2024/08/15/143713
https://jami-japanese.booth.pm/

























ジャミさん
武器のお話し、興味深かったです。
父も歴史好きで、二人で話したのですが、「きっと私たちは戦場に出たら槍でプスってやられてたよね〜」って笑い話しですが、戦国時代の方達は、勇敢ですよね❣️
ジャミさん、こんにちは。
面白かったです!
石も武器になりますよね…その発想がなかったです。